海外渡航報告
技術室 松浦秀起
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写真1 Redlandsの町並み |
12/6〜12/22
クロスメディアデータベースシステムに関連した技術を身に付けるため、
アメリカ合衆国カルフォルニア州ロサンゼルスの田舎町レッドランズに約二週間滞在しました。
日本を発つ
12月6日の午後6時30分くらいに関空を飛び立った飛行機は、
ロサンゼルス空港に現地時間12月6日の午前11時くらいに到着しました。
飛行機の中で一応睡眠を4時間ぐらいとり、現地でレンタカーを借りて出発しました。
レッドランズ到着
まず着いて始めに向かったところは、アメリカ合衆国のロサンゼルス郊外にあるレッドランズという町です。
この町は学業の町でロサンゼルス中心街と違い、穏やかで治安も良いところでした。
初めての海外ということで英語に不慣れな私にとって、最初は戸惑いや不安がありましたが、
レッドランズの町は人柄も良く、冬でも暖かく案外過ごしやすいと感じました。
しかしながら、なかなか時差ボケが治らず、あまり眠れない日々が最初は続いたのが辛かったです。
食事はレストランに入ると、税金とチップで合わせて22.5%割増になるので一食15$〜30$はかかるので、
大半がチップの必要ないファーストフードか学内食堂でした。 味の方はレストランならともかく、
サラダとフルーツ以外は、ほとんど味が美味しくないので、日本食が恋しくなる日々が続きました。
ただ例外として、サラダとフルーツは新鮮で日本より美味しかったので、学内食堂では、
ほとんどそれのみ食べていたような気がします。
クロスメディアデータベースシステム(XMDB)に関する技術研修
研修内容は二週間の内、一週目はESRI社でArcIMS(GISソフト)に関する講習を受け、
二週目はRedlands大学でXMDBの構造やカスタマイズ手法について講習を受けました。
ESRI社でのArcIMSの講習内容は、主にArcSDE(GISサーバソフト)を管理するサーバサイドの講習がメインでした。
ESRI社ではオンライン上で講習を受けることができるバーチャルキャンパスという制度もあります。
しかし、やはり講習会の実習形式の方が、分かりやすいと思いました。 すべて英語なので理解に
時間がかかるのが難点ですが。
Redlands大学ではXMDBのスキーマやプログラムコードのレビューが中心で、同時に京都大学の
ノートPC環境でのXMDBの動作テスト等も行いました。 XMDBの大きな特徴は二点です。
データ間のリレーションをデータベース化している点とGISとの連携が
可能である点です。 使用ソフト構成は以下のようになっています。
・OS | Windows2000 |
・SQLServer | MicrosoftSQLServer2003 |
・GISServer | ArcSDE |
・Server関連アプリケーション作成ソフト | MicrosoftVisualStudio.NET |
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写真2 Redlands大学の建物 |
Redlands大学では独自にスキーマやストアドプロシージャを定義し、データベースへのデータ入力、検索、表示や、
ArcSDEとの連携を可能にするアプリケーションプログラムをVisualStudio.NETで作成しています。
実際すでに、XMDBはRedlands大学内でのサーバとして動いており、ほぼ問題なく動作しています。 ただ、
京都大学で使用するためには三つの改良を加える必要がありました。
一つ目は、当然のことながらアメリカでのみ使用することを想定して作成されているため、
日本語環境はテストされていないので、日本語環境にカスタマイズする必要があるということ。
これについてはXMDBの構造、カスタマイズ手法を理解することによって日本語環境に移行することで可能になります。
心配されていた文字コード等の問題は、テストした結果、特に発生しなかったと思います。
二つ目は、使用目的がRedlands大学と京都大学では異なるため、スキーマに少し変更を加える必要があったということ。
最後の三つ目Redlands大学では実際のデータベースの母体は、京都大学が使用する予定の
MicrosoftSQLServerではなく、Oracleを使用しています。 つまりXMDBの核であるRedlands大学独自の
アプリケーションプログラムでのデータベース関連をOracle用からMicorsoftSQLServer用に変更する必要があり、
きちんとエラーなく動作するかどうか総合テストを行う必要がありました。 作業は難航し、
移行したXMDBプログラムの動作が不安定なため、ソース等必要な情報だけを持って帰って、
日本へ帰国後も作業を続けることにし、現地での作業は終了しました。
(帰国後はRedlands大学スタッフと連絡を取り、調整作業を続行しています。)
帰国
帰りのロサンゼルス空港では、非常に人が多く手荷物検査からチェックインまでに
2時間程度待たされました。さらにテロリスト対策で厳戒態勢になっており、
一度手荷物検査が終わった荷物については、近づいてはいけないとか、持ち込むものについては
(特にパソコン)かなり厳しくチェックされました。 結局ぎりぎり間に合ったのでよかったのですが、
飛行機は30分ほど遅れて離陸しました。
日本に帰国後は、夕食には迷うことなく和食を食べ、日本食のありがたさを実感しました。
まとめ
今回の海外研修は私にとって非常に興味深く、文化の勉強にもなりました。
かなり主観的ですが少しアメリカの全体的な印象を書きますと、車や道路、食料品等すべてが大きく、
イベントや装飾は派手である方が良い、日本に比べてすべて大雑把(お釣りや約束の時間が正確でない、
テイクアウトで頼んだ品物が多いと一部入ってない場合がある)でもあまり気にしないことや、
服装と体型もあまり気にしない、自然が多いといった、日本とはかなり異なる環境でした。
研修内容は現地でXMDBの調整作業が終了しなかったのが悔やまれましたが、
ArcIMSやXMDBの技術収集としては、大変よかったと思います。
機会を与えてくださった林先生、研修現地で大変お世話になったCOE研究員のポール吉冨様、
学生の下田様、技術室の辰己様にこの場を借りて深く御礼申し上げます。 ありがとうございました。
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