新人研修について

概要

 2021年4月、技術室に新人が1名配属されました!京都大学の全体研修を終えると、技術室での研修がスタートします。技術室での研修は、社会人として必要な知識のほか、技術室に所属する専門職(技術)が携わっている多種多様な業務について学びます。
 2021年度は、1年間の新人研修期間が設けられ、ビジネス研修と技術支援先での研修の2つの研修を実施しました。このページでは、その内容について紹介します。

ビジネス研修

 技術室長から、社会人としての基本的なマナーや、専門職(技術)としての大切な心構えなど、仕事をする上で欠かせないことを学びます。研修は、テキストなどを使いながら、ひとりひとりに合わせた個別指導で行われます。
 2021 年のビジネス研修では、主に以下の項目を学びました。

  • 基本的なビジネススキルについて
         
    • スケジュール管理、電話対応、メールマナー、報告・連絡・相談
  • 組織と社会における規範意識について
         
    • コンプライアンス、権利と義務、安全衛生
  • 業務効率と改善について
         
    • コミュニケーション、PDCA サイクル
  • 組織運営と制度について
         
    • 防災研究所の技術支援について、人事評定制度、経理

支援先での研修

 先輩職員の支援先で研修を受けます。各支援先を担当する先輩職員と一緒に仕事をしながら、専門職(技術)の業務について少しずつ学んでいきます。

 2021年の支援先研修は、遠心載荷実験室境界層風洞実験室強震動応答実験室宇治川オープンラボラトリーと呼ばれる実験施設のほか、工作室地震災害研究センター桜島火山観測所で実施しました。

実験関係の研修

  • 実験計画と安全確認について
         
    • 実験の目的や手順、注意点、危険作業についての打ち合わせに参加しました。実験中は、打ち合わせ内容に沿って安全に実験が進められているかを確認しました。
  • 模型や道具の作製・修理について
         
    • アルミなどの材料を使った模型や治具(実験用の部品)の作製や、壊れたケーブルの修理(はんだ付けなど)を学びました。
  • 大型実験装置・クレーンの操作について
         
    • 大型実験装置の操作を、マニュアルを見ながら行いました。新人研修期間中にクレーンの資格を取得し、実験室でもクレーンの運転を行いました。
  • 実験の準備・片付けについて
         
    • 実験に使う構造物(試験体)の組立や解体、計測機器の設置と撤収を実験者と一緒に行いました。
  • 見学や取材への対応について
         
    • 高校生や報道関係者などの見学で、案内や教員のサポートなどを行いました。

観測関係の研修

  • 観測点でのメンテナンス作業について
         
    • 設置されている地震計のバッテリー交換や修理など、フィールドでの機器メンテナンス方法を学びました。
  • 観測データの確認と管理について
         
    • 地震計で記録されたデータの専用ソフトでの読み取り、煤書き記録装置の運用など、観測データの管理作業を学びました。
  • プログラム操作の基礎について
         
    • プログラムを操作するための基礎として、Unix コマンドによる基本的な操作と、PostgreSQL を用いたデータベース操作について学びました。
  • 火山観測に関する現地作業について
         
    • 水準測量や坑道内観測機器の点検など、火山観測の現地作業について学びました。

技術室の新人研修を受けて(新人の感想)

 技術室の業務は学生時代に学んだ内容と異なる分野で、配属当初は不安もありましたが、先輩方が丁寧に指導してくださったおかげで、少しずつ業務を理解できるようになりました。
 研修を通じて、実験や観測の場で専門職(技術)が果たす役割の大きさを肌で感じ、研究支援のやりがいや責任の重さを実感しました。
 まだまだ学ぶことは多いですが、今後は自分も現場で信頼され、頼られる専門職(技術)を目指して努力していきたいです!