京都大学防災研究所は、自然災害から社会を守るための研究に取り組む国内外で有数の研究拠点です。技術室は、その研究活動を技術面で支える役割を果たしています。
防災研究所では、地震、津波、火山、豪雨、洪水、地すべりなど、多岐にわたる現象を対象としており、その研究には高度な専門知識と技術が不可欠です。私たち技術系職員は、最先端の実験や観測のサポート、データの解析、そして新技術の開発に加え、防災研究所が保有する様々な実験設備の維持管理といった業務に携わります。
実験では、必要な計測機器(センサー、データロガー等)の選定、設置、校正、そしてこれらの機器を安定的に動作させるための電源供給や配線といった電気設備に関する知識が必要です。最新の計測技術に関する情報を収集し、研究者のニーズに合わせて最適なシステムを構築することも技術系職員の重要な役割です。さらに実験設備の安全管理も技術職員の大切な責務です。作業手順の整備、安全教育の実施、危険箇所の改善などを通して、研究者や他の教職員・学生が安心して実験に取り組める環境を整備します。
防災研究所の活動は、研究室での分析やシミュレーションに留まりません。地震観測、気象観測、水象観測、火山観測など、様々なフィールドで技術系職員の技術力が活かされています。例えば、海洋研究の現場では、波浪観測、潮位観測、風力観測、水温観測、海底地形・地盤調査を行い、海洋や陸面と大気の相互作用などの解明に貢献しています。また、火山研究においては、活火山の山頂付近に設置された様々なセンサー(地震計、傾斜計、測位計など)の維持管理を行い、リアルタイムでの火山活動の監視体制維持を支えています。噴火の予兆を捉えるための重要なデータを途絶えさせることなく、安定的に取得するために、特化的な技術力による支援が求められます。
防災研究所では、研究者と技術系職員が緊密に連携し、各々の専門性を活かしながら、防災という共通の目標に向かって邁進しています。技術系職員の知識や技術力、経験、そして熱意は、防災研究所の研究活動にとってかけがえのない財産となっています。
技術系職員の職務は、単に技術的な業務をこなすだけでなく、自らの技術やアイデアを活かして研究の進展に貢献できる非常にやりがいのある仕事です。未曾有の自然災害が頻発する現代において、防災研究の重要性は、ますます高まっています。あなたの技術と情熱で、防災・減災の実現に貢献してみませんか?
多様なバックグラウンドを持つ方々からの積極的なご応募をお待ちしています。防災に興味があり、技術を通じて社会に貢献したいという強い思いをお持ちの方、ぜひ私たちの仲間になってください!
室長心得 三浦 勉